今朝、母が電話に出ない。何回掛けても。
そんな時は、悪いことしか考えない。
サ高住で何度も入居者の方を救搬していたから、
その時のことを思い出す。
倒れて起き上がれないんじゃないか、
それとも・・と思う。
昨日は、毎年恒例の女子会、
姉と三人で母の誕生会をした。
前回と同じように、昨日もまた、
母は足が痛み歩けなくなった。
公共機関を利用して街に出て来るのは、
もう無理なんじゃないかと思った。
他界した父に状態が近づいていっているようで哀しくなった。
父もだんだん歩くのがシンドクなっていたな、と。
目的の商業施設まで、歩いて行くのが無理と思い、
地下鉄を使うことにした。
エレベーターの場所を探しながらだと、
単純な地下鉄構内なのに、迷ってしまった。
母が歩けない哀しみが積もって、だんだん腹が立ってきた。
老いの哀しみは、どうしょうも無く、
そのどうしょうも無さが怒りに変わった。
今度、伯母の面会に行くときも
これからは、タクシーを使うしかないだろう。
同居したとしても、いつもべったりと
くっついていない限り、今日のようなことが起こる。
これから何度も何度も
電話にドキドキしたり、ビクついたりを
繰り返していくのだろう。
固定電話を諦めて、携帯に電話したら、出た。
珍しく携帯電話を"携帯"していた。
近所に遊びに行っていた母が、明るい声で出た。
贈ったクッキーを食べながら、
昨日の女子会の話でもお友達にしていたのだろう。