想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

電話に出ない

今朝、母が電話に出ない。何回掛けても。

そんな時は、悪いことしか考えない。
サ高住で何度も入居者の方を救搬していたから、
その時のことを思い出す。
倒れて起き上がれないんじゃないか、
それとも・・と思う。

昨日は、毎年恒例の女子会、
姉と三人で母の誕生会をした。
前回と同じように、昨日もまた、
母は足が痛み歩けなくなった。
公共機関を利用して街に出て来るのは、
もう無理なんじゃないかと思った。
他界した父に状態が近づいていっているようで哀しくなった。
父もだんだん歩くのがシンドクなっていたな、と。

目的の商業施設まで、歩いて行くのが無理と思い、
地下鉄を使うことにした。
エレベーターの場所を探しながらだと、
単純な地下鉄構内なのに、迷ってしまった。
母が歩けない哀しみが積もって、だんだん腹が立ってきた。
老いの哀しみは、どうしょうも無く、
そのどうしょうも無さが怒りに変わった。
今度、伯母の面会に行くときも
これからは、タクシーを使うしかないだろう。

同居したとしても、いつもべったりと
くっついていない限り、今日のようなことが起こる。
これから何度も何度も
電話にドキドキしたり、ビクついたりを
繰り返していくのだろう。

固定電話を諦めて、携帯に電話したら、出た。
珍しく携帯電話を"携帯"していた。
近所に遊びに行っていた母が、明るい声で出た。
贈ったクッキーを食べながら、
昨日の女子会の話でもお友達にしていたのだろう。