弟の相続登記に向けての行動は、
疎遠になっていた姉弟の仲を近づけ、
"家族"の良さを再認識したかに思われた。
でも、心配性、良く言えば堅実な弟の心配が、
母にも伝染し、私を実家に返す話が
再び持ち上がってしまった。
うちの家族は、大きく分けると、
私だけが楽観主義で、他は皆、
心配症で堅実、加えて、悲観的、慎重・・
地に足がついていないような生活をしている私が
飢え死にしなかったのは、
そんな家族のお陰なのかもしれないが、
誰とも"合わない"という哀しさがある。
私は、早くに家族と離れて生活しているから、
家族に対して、理想を描いているかもしれない。
親にしてみれば、思い通りにならない娘に
どれだけ失望していることだろう。
子供は親の所有物ではない、と言い切れないのは、
親が心配する必要のないくらい、
経済的に自立していないからだ。
だからと言って、私の意思を無視して、
今の暮らしを捨てさせるというのは…。
離れて暮らす私に何かあったら、駆けつけるのが難しい、
だから、親と同居していた方がいい、という弟や母。
(そういえば、日本縦断の旅に出た時、
帰ってくるまで、親は泣いていたという)
手の届く近くにいたら安心、という考えだと、
子供は子供のままだ・・・と、
親になったことのない私は、なんとでも言う。
親には親の言い分があり、
家族って難しいものだと思う。
幾つになっても。