想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

いい親と遠い実家

実家から少し離れたところに住んでいる娘(未婚)が、
かなり頻繁に実家に来ると、友人が言っていた。
余程居心地のいい家なのだろう、
余程"いい親"なのだろう、と思った。

私の親も"いい親"だ。
なんだかんだ言っても、どこの親より
一番"いい親"だと思っている。
世界で一番死んでほしくない人は、自分の親だ。
でも、たまにしか会いたいと思わない。
この矛盾した感覚は、いったいなんだろう。
中学生の頃に、親元を離れたい、
親の言うままに生きるのはイヤだと思っていて、
16才でひとり暮らしを実行した(実行させて頂いた)
そこに答えがある。

ひとり暮らしがしたかったと言っても、まだ16才だ。
ホームシックとの闘いは、何年も続いた。
でも、親元に帰りたいとは思わなかった。
実家が帰りたい家ではなかったから。

テレビで孫やひ孫を含めた大家族の
食事風景を見ると、羨ましいと思う。
たぶん、うちの親もこういうのが夢だったと思う。
でも実際は、息子との仲はいいが、
嫁や孫達とは疎遠になっているのが現状だ。
その弟のところの長女もまた、親と絶縁状態にあると言う。

母は19才の時、母親を亡くし、
父も若い頃に、父親を亡くし、
そのせいか、自分の子供を溺愛し、
自分が思う幸せの形に当てはめようとする人だった。
姉や弟に比べ、元々自我の強かった私は、
それに耐えられなかった。
母は高齢になり、今度は、自分の幸せな人生のために、
"子供"を組み込もうとしている。
それが親への当然の恩返しだと思っている。

私も高齢になり自分の老後の不安もある中で、
ますます実家が遠くなる感がある。