同じ歳の従妹の孫は、男の子2人。
幼児の今からイケメンだった。
ただでさえ、孫はかわいいと言う中で、
あんなにかわいいと将来が楽しみでしかたないだろう。
孫の存在が、去って行った母(伯母)の存在を
薄くしているようだった。
それは、薄情というのではない。
その切替えこそが命を繋ぎ、人間の歴史なのだと
なんか、大きなことを思った。
皆それぞれに家族や仕事のことあれこれ考える中で、
子のいない無職で独身の私だけが、
真摯に伯母の人生を見つめ、
思い出に浸っていたように思う。
かわいい孫たちが、親に教わりながら、
手を合わしたり、花を置いたりする様子を
いつものあの笑顔で見ていたと思う。
そして、いつものあの高い声で、
笑っていたと思う。
専業主婦とは言っても、
洋裁と書道が、得意というのを超えている人だった。
早くに他界した母親に代わって、
兄妹の面倒をみていたから、姪の私にも厳しかった。
甘やかすということを
自分にも子供にもしない人だった。
去年、コロナ明けに10年以上ぶりに見た時は、
すでに別人になっていた。
六花亭のお饅頭が食べたいというので持って行ったあの日、
「昼食前だから」と言ったのに、
聞き分けの無い子供のように食べ、
「美味しい」と言った伯母。
たくさんあるお菓子の中で、"六花亭"のお菓子を選んだ。
人生最後のおやつに選ばれるって、スゴイことだ。
(私は、やっぱり六花亭の「チョコマロン」かな)
『ライオンのおやつ』を思い出した。