想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

自転車と仕事

日常から、"求職"を除いたら、
なんて気軽で楽しいんだろう。
「仕事は決まったの?」
「いい仕事はありそう?」
仕事は、仕事は、仕事は・・・・
私の生活や将来を心配しての、
親や友人達の言葉は、有難いというより、
プレッシャーでしかなかった。

年金受給が始まり、飢え死にすることだけはなくなった。
今、楽だ、楽しい、幸せだ、と言っていても、
いずれそのツケが回ってくるかもしれない。
でも、そのツケを受けとめるのは、
親でも、友人でもなく、自分。

果たしてこの少ない年金で、
暮らしていけるものだろうか。
物欲だらけの、若い頃のままなら無理だろう。
けれど、バーキンが欲しいとも、新車が欲しいとも、
オシャレな店で食事したいとも思わなくなった今、
無理なんかじゃない、と思っている。
働きたくないから逃げている、というのではなく、
この慎ましい生活でも、
幸せは感じられるとわかったから。

1人で車を走らせ、何処へでも行った。
1人で楽しむことに慣れていたが、
1人じゃ行きたくても行けない所もあった。
例えば、こないだのお祭り。
それが、友人達が定年退職したことで
一緒に行けるようになった。

数々の就業経験は、自転車と同じだと思う。
何年も乗っていなくても、
昔乗れた人は、いくつになっても乗れる。
同じようにいつか働き出した時、
認知症を発症していない限り、働けると思うのだ。
もちろん、昔と同じペースで動けるわけじゃなく、
感覚だけが蘇るということだけど。