「もう、甘えさせない」というようなことを言った。
”甘え”と言った・・・
甘えだったのだろうか。
無表情になってしまった。
亡くなった父の定期預金の分配分を貰った時、
「年金を貰うようになったら、
(ずっと援助してもらっていた)お金を止める」と言った。
私の年金額では生活出来ない、と言った時に
「もう、甘えさせない」確かにそう言った。
援助金は、頸椎の手術をして働くのが困難になり、
生活出来るほどの収入は得られないだろうけれど、
社会復帰して働きたいと言った時、
貸付金として借りて、出世払いするような話になっていた。
その後、身体的にも年齢的にも、
返していけるほどの収入になる仕事には就けなく、
結局、援助金という形に変わってしまった。
月々数万円(家賃収入分から)とは言っても、
生活費の不足分を補えたし、
最近は老後の資金として貯金に回していた。
服もほとんど買わず、節約をしていた。
母も、それはわかっているはず。
確かに、この歳になっても親に援助して貰うというのは
情けない話だ。
けれど、公務員だった父のおかげで、
充分な年金を貰っており、
お金が余っているからと
ほとんど会うことの無い孫や、
周りの人にお金をバラまいているのに、
どうして、将来生活が苦しくなるであろう娘の
援助を止めようと思うのだろう。
ライオンの親。
経済的にも完全に自立させようとしているのだろうが、
高齢になった子には遅過ぎやしないか。
年老いた母を守りたいという気持ちと
年老いた自分の生活を守りたいという気持ちが、
両天秤にかけられて揺ら揺ら揺れている。