想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

その一言で無表情になった

「もう、甘えさせない」というようなことを言った。
”甘え”と言った・・・
甘えだったのだろうか。
無表情になってしまった。
亡くなった父の定期預金の分配分を貰った時、
「年金を貰うようになったら、
(ずっと援助してもらっていた)お金を止める」と言った。
私の年金額では生活出来ない、と言った時に
「もう、甘えさせない」確かにそう言った。

援助金は、頸椎の手術をして働くのが困難になり、
生活出来るほどの収入は得られないだろうけれど、
社会復帰して働きたいと言った時、
貸付金として借りて、出世払いするような話になっていた。
その後、身体的にも年齢的にも、
返していけるほどの収入になる仕事には就けなく、
結局、援助金という形に変わってしまった。

月々数万円(家賃収入分から)とは言っても、
生活費の不足分を補えたし、
最近は老後の資金として貯金に回していた。
服もほとんど買わず、節約をしていた。
母も、それはわかっているはず。

確かに、この歳になっても親に援助して貰うというのは
情けない話だ。
けれど、公務員だった父のおかげで、
充分な年金を貰っており、
お金が余っているからと
ほとんど会うことの無い孫や、
周りの人にお金をバラまいているのに、
どうして、将来生活が苦しくなるであろう娘の
援助を止めようと思うのだろう。

ライオンの親。
経済的にも完全に自立させようとしているのだろうが、
高齢になった子には遅過ぎやしないか。
年老いた母を守りたいという気持ちと
年老いた自分の生活を守りたいという気持ちが、
両天秤にかけられて揺ら揺ら揺れている。