昔、「介護」の仕事は無かった。
たぶん「福祉」の中に含まれていたのだと思う。
短大で就職活動をしている時も、
介護職の求人を見たことが無いし、
そういう仕事に就いた友人もいなかった。
ちなみに求人といえば、ほぼ正社員の募集だった。
パートやアルバイトは、学生か家計の足しに働くという主婦が
対象だった。
約半世紀が過ぎ、随分変わったなと思う。
介護という仕事は無かったけれど、
介護をしている人はいた。
長男の嫁とか娘。
当たり前のように行っていた。
とは言え、今ほど長生きではない時代だから、
長期的に・・というのは珍しかったのではないか?
長寿時代の今、お金の有る無しで、
老後生活はいろいろな道に分かれる。
それは、生活の形態が違うだけで、
幸不幸を分けてはいないが。
介護施設に入所させた方がいいような親を抱えた息子でも、
幸せに暮らしている人もいれば、
サ高住に入居出来るくらい裕福でも、死んだら連絡がほしい、
という子供しかいない人もいる。
うちの母は、歳を取ったら子供が
介護してくれるのが当たり前という時代の人だ。
サ高住に入れる年金収入があっても、
そこに入ること=子供に見捨てられた、と感じるようだ。
私はサ高住で働いた経験から、高齢者の"終の住処"として、
サ高住・介護施設・病院が一体化したような施設が
理想的だと感じた。
(もちろん、自宅で自立した生活が送れるのが一番なんだけど)
姉や弟は、そういうところに入所させることに
後ろめたさや哀しさを感じているようだ。
じゃ、ずっと母親の傍にベッタリくっついて、
最後の最後まで面倒を見る事が出来るのか?
出来ないのに、優しいことだけ言う。
”13階段の優しさ”なんて…と思う。