想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

サ高住で暮らす人々

歳を取り、持ち家やマンションで暮らすのが不安で、
サ高住の入居を考える人が多い。
元々独り身の人はもちろん、配偶者に先立たれ、
独りになった人は尚更。
子供と同居は出来ないが、
子供の近くの賃貸マンションに引っ越そうとする。
でも高齢者は、借りるのが難しい。
そこで、高齢者向け住宅のサ高住を検討する。
見守りもあるから安心というわけだ。

誰でも入居出来るわけではない。
基本、自立して生活出来る人に限られ、
毎月少なくとも15万前後の支払が可能な人(※一人の場合)
他にも生活費はかかるわけで、
年金収入だけでは足りないように思う。
実際は、本人の年金プラス、子供の援助で
生活されている方が多いと思う。

物腰がいかにもセレブ、
いったいどんな暮らしをしてきた方なのかと思うけれど、
案外、田舎から子供の住んでいる街に出てきた、と言う人が多い。
でも家族が、医者や、元プロスポーツ選手、大学教授など、
一般庶民とは違うようだ。
入居の申し込みの時にも、支払能力があるかどうかが、
会社側はある意味、自立性より重視しているように思う。
サ高住は、介護施設ではなく、営利目的の住宅だから。

入居時、「自立」だった人も、
年月が経てば、「支援」「介護」と進んでいく。
そうなると、介護施設の方へ移って頂くような話が出る。
元気に生活していた人が杖を使うようになり、
歩行器を押すようになり、入退院を繰り返すようになり、
だからって、「そろそろ介護施設へ」と退去の話を勧めるのは、
なんとも冷たい気がする。
でもそこは、営利目的の高齢者向け住宅。
介護に取られる時間が多くなれば、
コンシェルジュの私達が大変な思いをすることになる。

”老いる哀しさ”と向き合いながら今日も働く。