歳を取り、持ち家やマンションで暮らすのが不安で、
サ高住の入居を考える人が多い。
元々独り身の人はもちろん、配偶者に先立たれ、
独りになった人は尚更。
子供と同居は出来ないが、
子供の近くの賃貸マンションに引っ越そうとする。
でも高齢者は、借りるのが難しい。
そこで、高齢者向け住宅のサ高住を検討する。
見守りもあるから安心というわけだ。
誰でも入居出来るわけではない。
基本、自立して生活出来る人に限られ、
毎月少なくとも15万前後の支払が可能な人(※一人の場合)
他にも生活費はかかるわけで、
年金収入だけでは足りないように思う。
実際は、本人の年金プラス、子供の援助で
生活されている方が多いと思う。
物腰がいかにもセレブ、
いったいどんな暮らしをしてきた方なのかと思うけれど、
案外、田舎から子供の住んでいる街に出てきた、と言う人が多い。
でも家族が、医者や、元プロスポーツ選手、大学教授など、
一般庶民とは違うようだ。
入居の申し込みの時にも、支払能力があるかどうかが、
会社側はある意味、自立性より重視しているように思う。
サ高住は、介護施設ではなく、営利目的の住宅だから。
入居時、「自立」だった人も、
年月が経てば、「支援」「介護」と進んでいく。
そうなると、介護施設の方へ移って頂くような話が出る。
元気に生活していた人が杖を使うようになり、
歩行器を押すようになり、入退院を繰り返すようになり、
だからって、「そろそろ介護施設へ」と退去の話を勧めるのは、
なんとも冷たい気がする。
でもそこは、営利目的の高齢者向け住宅。
介護に取られる時間が多くなれば、
コンシェルジュの私達が大変な思いをすることになる。
”老いる哀しさ”と向き合いながら今日も働く。