図書館で適当に選んだのは、『永遠の途中』(唯川恵著)
内容は、既婚と未婚の友人同士の2人が主人公で、
27才から60才までの人生が
交互に描かれている。
これは、「もしあっちの道を選んでいたら」という、
選ばなかった自分と今の自分の人生の話のようで
一気に読み終えた。
結婚したかしなかったかで、幸せ不幸せを言うことがある。
どちらとも言えない。
ただ、"大変さ"という面で言えば、結婚した方だと思う。
未婚の私の、人の繋がりの枝葉は、
全部私から出ている。
どんなに多く出ていても、バッサリ断ち切ることが出来る。
でも、家族を造った人は、夫や子供から
複雑に枝葉から枝葉が出て絡み合い、断ち切ることが出来ない。
その不自由さの中で、自分らしく生きるというのは、
大変だと思う。
去年、お悔やみ欄で見つけた人、
その人は、20代の頃入社した会社で出逢った。
上昇志向の強い彼女は、入れ違いで辞め転職した。
名字は変わっていなかった。喪主は甥だった。
私のアパートから歩いて5分のマンションで暮らしていた。
そんなに親しくしていた人ではなかったが、
あの会社を辞めた後の彼女の40年間を思い巡らした。
早朝、コーヒー豆の粉に上に、
ポトンポトンとお湯を落としながら、
その香りに幸せを感じている。
女ひとり、達成出来ることなんて限られていると思った。
大金を手に入れて人生を謳歌するような生活なんて、
得られるわけじゃないし、欲しくもない。
結局私は、マンションじゃなく、
木造のこんなアパートに住むというのが、
自分の身の丈で、自分の理想だったと思う。
だんなさんが出世して裕福になった友人から唐突に
「自分の時間なんてなかった!!」という言葉を
投げつけられたことがある。
そうだ・・・
自分の時間だけはたくさんあって幸せだった、
ということにしておこう。