一週間前の朝、下の階の奥さん(30代?)が
突然、ドアをガンガン叩いて来たことで、一時は転居を考えた。
他の人が出した騒音を私だと思い込んで、
こんな嫌な思いをさせられるなんて!
しかも同じように理不尽なことで会社を辞めたばかりだ。
バラ色の有休消化の休暇のはずが、一週間、真っ暗だった。
そんな中、短大時代の友人からランチの誘いがあった。
彼女から誘ってくるなんて珍しい。
彼女はいつも受け身だった。
思えば、この会社に入る時に
相談の電話をしたのがきっかけで、
定期的に再び会うようになっていた。
2年半前、マンションの清掃の仕事に就くかもしれないと
落ち込んでいた時に、彼女の話が聞きたいと思った。
(結果的に、サ高住のコンシェルジュになったのだが)
私から見れば順調な人生を歩んで来た彼女、
23才で結婚して、子供を産んで…、
それがだんなさんのギャンブルの借金のせいで離婚、
幸せな暮らしがガタガタと崩れ、
マンションを売り、アパートに引っ越し、
夜勤のある介護の仕事に就いた!
彼女が介護!?全く想像出来ないことだった。
あれから20年位が経ち、今ではボーナスを貰って
経済的にほぼ安心の生活が送れるようになっている。
自分の過去の話で、恨みがましいことは言わず、
相変わらず、上品で穏やかな雰囲気のままだ。
あれだけ苦労をしても、短大時代のままの彼女だった。
私の退職の話でも、責めるでもなく、
全面的に私の味方の言葉が、うれしかった。
帰りにデパ地下で、同居している息子さんと
二人分のケーキを4つ買う姿を見ていて、
この人は私の宝物だと思った。