想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

声が人

古い携帯電話に保存されている動画を
時々開いている。
そこに、ひ孫と映る父の姿と声がある。
その声を聞くと、
今でも実家のあの家にいるように錯覚する。
親元を離れた時期が早かったためか、
私の親は、受話器や携帯電話の中の声だ。

歳を取ると声が変わると言われる。
確かに女性は、低くなったり、ハスキーになったりする。
でも男性は、あまり変わらない人が多い。
これは男性には変声期があるせいかも?なんて思う。

外見は、好みではないが、
声で好きになるということがある。
外見は、見飽きるし、老化するけれど、
心地良い声というのは変わらない。
発する言葉も心地良いと尚良い。

大切な人が他界した時、
触れることの出来る身体がなくても、
声が聞けて、会話が出来たら
きっと喪失感は、大きくないだろうと思う。
SF小説的な発想だけれど・・・・
「お父さんより6才若かったお母さんは、
お父さんより年上になったよ。」と言ったら、
「そうかあ」と笑いを含んだ声が返って来そうだ。

「ちびまる子」の声優が亡くなって、
悲しくなるこの気持ちは、
描かれた姿がより、
声が「ちびまる子」だったから。
声が人なのだ、と思う。