想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

繋ぐセレモニー

姉の義母が他界した。
義兄のことでいろいろあり、
大変な状況の中での今回の不幸。
施設に入り、95才にもなっていたから、
いずれこういう日が来るとは思っていたのだが、
なんでこう続くのだろう。
姉一家にしてみれば、泣きっ面に蜂だ。

姉は新婚当時、義兄の実家で同居していたが、
義理の両親と合わなくて別居した。
結婚当初から、そんな感じ。
そして何十年も経った数年前、
弟(義兄の)にひどい言葉を浴びせられ、確執が生まれた。
その弟の手助けが必要になる事態になったのだ。
義兄がパーキンソン病のために。

姉と弟(義兄の)の間に入るべく、
私は母と葬儀に出席し、一日一緒に過ごした。
姉との確執を消し去りたくて、
14年ぶりの再会となった弟(義兄の)と
世間話をしていた。
弟(義兄の)は離婚後、17才下の方と再婚し、
その方を紹介してくれた。
雑談をしているうちに、確執が解けかけて行くのを感じた。

お葬式というのは、亡くなった方のためにあるが、
残された人達の離れたり壊れかけた関係を
修復出来るかもしれないセレモニー。
この時だけは、人の命の儚さに気づき、
普段意識することはあまりないが、
生きている家族や親族の血の繋がりを
大切にしたいと思う。
人間って、誰かと繋がっていなければ、
ダメな弱い生き物だ。

帰り際、「(症状が進んでいる)お兄さんのことを
よろしくお願いします」と私は言った。
自分の兄のことをお願いする義理の妹のお願いを
どんなふうに受け止めただろう。
義兄は、実の弟だけじゃなく、妻や娘はもちろん、
義理の妹(私)とも繋がっている大切な人なんだ。