想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

後のことはヨロシク

同じ世界で生きていた人が、
他界することが増えたように感じるのは、
自分が歳を取り、自分の知る人も歳を取っているからだ。
もしも今10才なら、知っている有名人の数も少なく、
身内の年令も若く、急にいなくなる怖さを
感じる機会は少なかっただろう。

子供の頃、「死」は怖かった。
親が死ぬというのは、最大の恐怖だった。
自分が死ぬというのも、想像しただけで怖くて、
よく泣いていた。

歳を取り、「死」が「他界」に変わった。
怖さが変化した。
あんなに怖かったものが、
まるで最後の儀式のように捉え出している。
こういう形だったら、こんな時期だったら、
なんてイメージしている。

長生きはしたいけれど、長過ぎるのはよくない。
身内の誰よりも長く生きるというのは、最悪だ。
自分の後始末をしてくれる人がいる間に
誰にも迷惑をかけない状態で他界する、というのが理想だ。
だいたい長生きし過ぎて、生活費はどうする?
年金は少ないし、貯金だってすぐに底をつくゾと
現実問題なんかも考えている。

"怖さ"は、他界する前後の"心配"に変わっている。
だから、高齢の身内が他界の話をした時、
「そんな縁起でもないこと言わないで」ということより、
「ちゃんと、やってあげるから」と言ってあげることの方が
優しさだと思うようになった。

この世界に生きているうちは、後悔しないように、
なんでもやってしまおうと思う。
実家の危険な照明器具は取り替えよう。
太るからって、我慢しているスイーツも食べよう。
後は…