初めて口紅を塗った日、
弟が「赤いマジックを塗ってるみたいだ」
と言って笑った。
お化粧を始めた時、「資生堂」「カネボウ」
「コーセー」の3大日本ブランドがあり、
「資生堂」が圧倒的人気だったと思う。
社会人になった頃、海外ブランドが人気になり、
中でも「シャネル」「ディオール」など、
デパートに出店している高価な物を買う人が増えた。
高価な化粧品を買えるほどの収入だったかといえば、
そうではなく、無理をして買っていたと思う。
高級な化粧品を使うとキレイになる気がしたし、
何より、「シャネル」を使っているという、
なんとも言えない満足感があり。・。・。
高級な化粧品を使って、キレイになれたかといえば、
全然キレイではなかった。
メークテクニックが未熟なのと土台が悪いせいで…。
でも、高級な化粧品を使っているという気持ちと若さで
キレイに見えていた。魔法にかかったように。
歳を重ねて、魔法は消え真実の姿が見えてきた。
YouTubeで、今まで安物だからというだけで
敬遠していた化粧品の紹介をしている方が多く、
化粧品は、値段じゃなくて、
メークテクニックと色選びなのだということを知る。
高い物がいいと思っていたあの頃、
テレビや雑誌の、売り手側からの情報しかなく、
随分と無駄な出費をしてきたなと思う。
買い手側からの情報が溢れている昨今は、
3大日本ブランド(現在は、
花王・資生堂・コーセー)より、
「セザンヌ」などのプチプラが、
上向きになっているように感じる。
高い化粧品を使ってメークした時の
キレイになったような、
あのキラキラした魔法が消えた淋しさ。
魔女の方に近づいているのかも。