想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

黒と白

部屋のソファーに座って、晴れた空から、
舞い降りて来る雪を見ていた。
足元に積もったり目の前を遮るように降る時ばかり見ていて、
見上げて見るということはほとんど無い。
子供の頃、雪を食べようと口を大きく開けて歩いたことがあり、
あれ以来かもしれない。
明るい青い空から、キラキラと小さな白い雪が
舞い降りて来るのを見ていると、
地上のあちこちで起こっている悲しい出来事を忘れる。

今年の抱負の”歳数読書”
読む本を切らさないために、頻繁に図書館に行っている。
最近、本の選び方が雑になっている。
メガネをかけないで、後ろの説明をザッと読み、
適当に3冊取り出している。

部屋に帰って読み出してから、気付くのだ。
これは・・・読みたくない種類の本だったと。
裏社会、ヤクザ、覚せい剤、殺人・・・
『もぐら』(矢月秀作著)の
まるでゲームのように次々と主人公が
ヤクザを殺していく壮絶な描写に、ため息が出た。
本の中の不穏な空気が、現実に流れ込んで来そう、
嫌な夢を見そう・・と。

途中、部屋にある『フランス人は10着しか服を持たない』を
出してきて読んだ。
何度も読んだ本だ。
溜まって来た毒を浄化しながら読み進める。
『もぐら』
『フランス人は~』
『もぐら』
『フランス人は~』
『もぐら』
『フランス人は~』
『もぐら』・・・・読了

汚れを知らない(?)脳は、
やっぱりハッピーエンド的な話を好んでいる。