部屋のソファーに座って、晴れた空から、
舞い降りて来る雪を見ていた。
足元に積もったり目の前を遮るように降る時ばかり見ていて、
見上げて見るということはほとんど無い。
子供の頃、雪を食べようと口を大きく開けて歩いたことがあり、
あれ以来かもしれない。
明るい青い空から、キラキラと小さな白い雪が
舞い降りて来るのを見ていると、
地上のあちこちで起こっている悲しい出来事を忘れる。
今年の抱負の”歳数読書”
読む本を切らさないために、頻繁に図書館に行っている。
最近、本の選び方が雑になっている。
メガネをかけないで、後ろの説明をザッと読み、
適当に3冊取り出している。
部屋に帰って読み出してから、気付くのだ。
これは・・・読みたくない種類の本だったと。
裏社会、ヤクザ、覚せい剤、殺人・・・
『もぐら』(矢月秀作著)の
まるでゲームのように次々と主人公が
ヤクザを殺していく壮絶な描写に、ため息が出た。
本の中の不穏な空気が、現実に流れ込んで来そう、
嫌な夢を見そう・・と。
途中、部屋にある『フランス人は10着しか服を持たない』を
出してきて読んだ。
何度も読んだ本だ。
溜まって来た毒を浄化しながら読み進める。
『もぐら』
『フランス人は~』
『もぐら』
『フランス人は~』
『もぐら』
『フランス人は~』
『もぐら』・・・・読了
汚れを知らない(?)脳は、
やっぱりハッピーエンド的な話を好んでいる。