想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

この1年で

去年の今日、出勤最終日だった。
「辞めると決めてホントに良かった」と思えるような日だった。

私が辞めた後のメインの住宅も兼任先もまだ募集状態だ。
ついでに他の住宅も求人したままということは、
立派な建物の外観に反して、危うい管理体制ということは明らか。
入居者の方を思い出すと、申し訳ない気持ちになる。

初めてのサ高住のコンシェルジュの仕事は、
入居者の方から勉強させて頂いたことが多かった。
救急対応やバイタル測定など、
守る側としての経験はこれから役に立つだろう。
でも、高齢者の生活や感じ方を知れたことが一番良かった。
この仕事をするまで、”高齢者”を理解出来ていなかった。
片足突っ込んでいる年令になっているにも関わらず。

入居者の方のタクシー手配を、かなり頻繁に行っていた。
歩いて10分もかからない病院にもタクシーを利用する。
(歩いて行けばいいのに)と思ったりした。
めまいがする、動悸がはげしい、
という不安な声にも、それがいつもだと、
受診を勧めることしか出来なかった。
「歳だから」と本人や同僚が言う。
どれだけ不安なことなのかまで、理解が出来なかった。
それがこの1年間で、幸いにも(?)実感出来るようになった。

前(若い頃)と違う感じ、経験したことのない症状があると
”ただ不安になる”のだ。
今まで無かったのに、一度転倒すると、
また転倒するんじゃないかと不安になり、
だんだん行動範囲が狭くなる。
やらなくなり、出来なくなることが増えて行く。

高齢者になったら、こんなふうに感じるんだということを
知ることができたのは、大きな収穫だった。
これは、介護施設で働くのに生かせるゾ、と思いつつ、
今の自分は、どっぷり高齢者になっていて。・。・。・