去年の今日、出勤最終日だった。
「辞めると決めてホントに良かった」と思えるような日だった。
私が辞めた後のメインの住宅も兼任先もまだ募集状態だ。
ついでに他の住宅も求人したままということは、
立派な建物の外観に反して、危うい管理体制ということは明らか。
入居者の方を思い出すと、申し訳ない気持ちになる。
初めてのサ高住のコンシェルジュの仕事は、
入居者の方から勉強させて頂いたことが多かった。
救急対応やバイタル測定など、
守る側としての経験はこれから役に立つだろう。
でも、高齢者の生活や感じ方を知れたことが一番良かった。
この仕事をするまで、”高齢者”を理解出来ていなかった。
片足突っ込んでいる年令になっているにも関わらず。
入居者の方のタクシー手配を、かなり頻繁に行っていた。
歩いて10分もかからない病院にもタクシーを利用する。
(歩いて行けばいいのに)と思ったりした。
めまいがする、動悸がはげしい、
という不安な声にも、それがいつもだと、
受診を勧めることしか出来なかった。
「歳だから」と本人や同僚が言う。
どれだけ不安なことなのかまで、理解が出来なかった。
それがこの1年間で、幸いにも(?)実感出来るようになった。
前(若い頃)と違う感じ、経験したことのない症状があると
”ただ不安になる”のだ。
今まで無かったのに、一度転倒すると、
また転倒するんじゃないかと不安になり、
だんだん行動範囲が狭くなる。
やらなくなり、出来なくなることが増えて行く。
高齢者になったら、こんなふうに感じるんだということを
知ることができたのは、大きな収穫だった。
これは、介護施設で働くのに生かせるゾ、と思いつつ、
今の自分は、どっぷり高齢者になっていて。・。・。・