入居者の方からの差し入れや贈り物は、日常茶飯事。
病院の場合、退院してお別れということもあるが、
サ高住の場合、退居しない限り会い続ける。
コンシェルジュのいろいろなサービスの提供は、
毎月の請求書に入っているのだから、
「要らない」と言っても、くれる。
高齢者は、何かして貰ったら「お礼」をしたいのだ。
断っても断っても、くれる。。。。。。
要らない!と思いながら、
でも、この方の場合は、お礼があっても
せめてご家族の方からの言葉くらいあってもいいよねと
思う方がいた。
とにかく手のかかる方で、
ここはサ高住じゃなく介護施設か?と思うほどだった。
水を溢れさせ下の階にまで迷惑かけた時は、拭き掃除を行い、
転倒して起き上がれなくなった時、
駆けつけて抱き上げ、紙オムツの交換や
カップラーメンを作ったり・・・
入居者40人以上いる私の住宅で、
ホントに大変な日々だった。
大変だったけれど情が移り、大好きだった。
結局、救急車で運ばれて入院、介護施設へと転居された。
そこでちゃんとした介護士に見守られ、
安心して暮らしていくだろうと思っていた。
ところで、三日前のこと、大浴場の脱衣所の掃除をしていたら、
足の裏に何かを感じ、見たらなんと生米だった。
見渡すと、脱衣所の隅々に生米が落ちていた。
脱衣所に生米?????
不思議に思いながら取り除いた。
もっと不思議なのは、取り除いたはずの隅っこにまた生米がある!
粘着テープで完全に取り除いて、数時間後見たら、
また、生米の欠片が落ちていた。
まるで天井から降ってきたみたいに。
もちろん、ネズミもスズメもいない。
その日、新聞のお悔やみ欄にあの入居者の方の名前があった。
まさか、「お礼」を置いて行ったんじゃないよね。