想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

不思議なこと

入居者の方からの差し入れや贈り物は、日常茶飯事。
病院の場合、退院してお別れということもあるが、
サ高住の場合、退居しない限り会い続ける。
コンシェルジュのいろいろなサービスの提供は、
毎月の請求書に入っているのだから、
「要らない」と言っても、くれる。
高齢者は、何かして貰ったら「お礼」をしたいのだ。
断っても断っても、くれる。。。。。。

要らない!と思いながら、
でも、この方の場合は、お礼があっても
せめてご家族の方からの言葉くらいあってもいいよねと
思う方がいた。
とにかく手のかかる方で、
ここはサ高住じゃなく介護施設か?と思うほどだった。
水を溢れさせ下の階にまで迷惑かけた時は、拭き掃除を行い、
転倒して起き上がれなくなった時、
駆けつけて抱き上げ、紙オムツの交換や
カップラーメンを作ったり・・・
入居者40人以上いる私の住宅で、
ホントに大変な日々だった。
大変だったけれど情が移り、大好きだった。
結局、救急車で運ばれて入院、介護施設へと転居された。
そこでちゃんとした介護士に見守られ、
安心して暮らしていくだろうと思っていた。

ところで、三日前のこと、大浴場の脱衣所の掃除をしていたら、
足の裏に何かを感じ、見たらなんと生米だった。
見渡すと、脱衣所の隅々に生米が落ちていた。
脱衣所に生米?????
不思議に思いながら取り除いた。
もっと不思議なのは、取り除いたはずの隅っこにまた生米がある!
粘着テープで完全に取り除いて、数時間後見たら、
また、生米の欠片が落ちていた。
まるで天井から降ってきたみたいに。
もちろん、ネズミもスズメもいない。

その日、新聞のお悔やみ欄にあの入居者の方の名前があった。
まさか、「お礼」を置いて行ったんじゃないよね。