小説でも書けば、と母は突拍子もないことを言った。
一人暮らしで、仕事を辞めた私が、
何をしているんだろうと心配しているのだ。
以前なら、仕事は?とプレッシャーをかけてきた。
今は、年齢的になかなか難しいだろうと思い、
気を遣ってそんなことを言ったのだろう。
小説、って簡単に言うけれど、
書けるわけないじゃない!!と、一瞬思ったが、
でも、『窓ぎわのトットちゃん』のように、
自伝的小説なら、書けると思った。
ネタはたくさんある。
様々な職場で出遭った人達、経験したことを
書き綴れば、かなり面白いものが出来上がると思う。
大作を書き上げて、自費出版!
子供の頃からの夢が叶う。
でも、出来ない。
登場人物がまだ健在、生きているからだ。
無名の一般庶民のただの暴露本になるだけで、何の価値も無い。
過去に遭遇したその人達をモデルにしたフイクションが
書けるようになるまで、小説を書くことに挑戦しない。
そう言えば、20代の頃に短い物語を書いたことがあった。
『小さな愛の物語』というタイトル。
(当時人気があった、みつはしちかこの漫画のタイトルをマネた)
自分的によく書けたと思ったので、
あろうことか、それを"相手"の職場に「親展」で郵送した。
若気の至りというか・・
サヨナラの手紙だったのだが、
Love letterと取られてしまったかもしれない。
15才も年上の"相手"でも、赤面しただろう。
その物語はノンフィクションだったので。
作文は趣味。
自分の気持ちがちゃんと伝わるように書けることを目指して、
いつまでも書き続けていきたい。