手帳やカレンダーを買って、新しい年を迎える準備をする。
年の瀬に近づいていく、この時期がとても好きだ。
雪も大晦日までには降り積もっているだろう。
冷っとした空気は神聖で、
身を清めて、新しい年を迎えるよう。
この時期がとても好きだ。
今年の頭の方で会社を辞め、
まさか、そのまま年末を迎えることになるとは、
思ってもいなかった。
以前とは違う心と身体は、
以前とは違う日々を過ごすことになっても不思議ではない。
長い間、好きなことを仕事にしたかったと思っていた。
でも今は、好きなことを仕事にしなくて(出来なくて)
良かったと思うようになった。
仕事にするということは、自分の意思とは違うことを
言ったりやったりしなければならないから。
自分の意思のとおりのことしかしなくて、
それを仕事に出来る人は、選ばれた人だ。
給与収入が無くなって、
もともと多くは無い蓄えが減って行く生活は、
不安で心細いものだ。
少ない年金を補うためには、
働き続けることと言われるけれど、
本人の意欲とは別に、大きな壁がある。
この一年過ごした時間の意味は、
ずっと後にならないとわからないことだけど、
やり続けたこと、たとえそれがカラオケとか、読書とか、
作文とか、ささいなことでも、
きっと、あの時の過ごし方が生かされたと思う時が来るだろう。
たぶん、来る。
今だって、20年近く前の、出口が見えなくて苦しい時、
歩き続けた遊歩道を思い出しては懐かしんでいる。
出口があるなんて、あの時思いもしなかった。