想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

リングと川

涼しいというより寒い。
ストーブを使うようになれば、暖房費が高額になる。
雪が降る前に働きださねば…。
ようやく真剣に仕事探しをする気になった。
ブランクが長いから、すぐに長時間は働けないだろう。
もう、軽い仕事、短時間でいいという気持ちに変わった。
"身体を壊さないで、長く働ける仕事"という条件は、
高望みだったかもしれない。

"人生とは、指先でクルクルとリングを回すようなもの。
リングが飛んで行かないように、
適当な力で回し続けなければならない。
回すのを止めたら、それで終わり"

若い頃は、そんなふうに考えていた。
人生は、自分次第なのだと。

でも、今は違うふうに考えている。
"人生とは、川の流れの中にあるもの"
私は今、流れが滞っている中にいる。
勢いのある場所にいる時は、
自分の意思とは無関係に、どんどん進んで行く。
大きな船に乗っていたら、楽して前に進めたりする。
その船に乗っていなくても、
同じように進めると思い違いをして、川に飛び込み自ら泳ぐ。
流れに乗ることもあれば、
泳いでも泳いでも、前に進めないようなこともある。
前から大きな木材が流れて来ることもある。
人生は、自分の意思ではどうにもならないものだ。
運命という言い方もする。

とくに頑張ったわけでもないのに、
お金がたくさん入って来た時もあれば、
懸命に努力しても、報われなかったこともある。
今、滞っている流れの中で、悲観していないのは、
人生は川の流れの中にある、と考えるから。

川は、一方方向に流れる。
この川に、鮭はいない。