想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

旅の仕方と人生はラップする

朝早くに旅館を出ると、
夏でも空気がヒンヤリして、気持ちが良い。
(さて、どっちの道を行こうか)と、車に乗ってから考える。
地図は見ない。
くじを引くようにハンドルを切る。
舗装された道路は、途中からダートになったりする。
砂埃や石で車が傷つくしタイヤも汚れるから止めよう、とは思わない。
どこに通じているのか、好奇心の方が先に立つ。
道があるんだから、どこかに繋がっているはずだと
対向車のない林というか森の中を突き進む。
楽しいと怖いは背中合わせだった。
車に乗っていた頃、
長距離ドライブが好きな私の走り方はこんなだった。

友達を乗せて走った時、
いつものような走り方をしたら、呆れられた。
だから遠出は独りでするようになった。

旅の仕方と、人生はラップする。

細かく段取りして、情報を仕入れて、
大勢の人と行動を共にして観光地を回るより、
何も情報が無いまま、
知らない場所に行くことの方が楽しい。
海岸線を走っていて、急に目の前に
ドカンと岸壁や青い海が現れた時の感動ったらない。
安全な旅行しかしていない友人は
こんな高揚感、味わったことがないんだろうな~
可哀そうなのは、両親だった。
突然電話して「今どこにいると思う?」と言って驚かすのだから。
日本縦断の時は、私が帰るまで泣きながら過ごしたと聞いた。
(とんでもないことをするのは、母の遺伝なのに)

人生何が起こるかわからない。
前もって準備しておくことに慣れるより、
突発的な事態をたくさん経験しておくことの方がいい。
若い時、限定だけど。