20代の頃に、官庁でアルバイトをしたことがあった。
そこに50代で独身の女性が数人いた。
当時は、結婚していない高齢の女性というのは珍しかった。
公務員だから、お金に困らないから、
生涯独身という生き方もありなんだうと思っていた。
私はというと、結婚願望は無かったけれど、
いずれ結婚はするんだろうと思っていた。
結婚は、誰でも自然にするものだと思っていた。
母親世代のその次の私の世代でもやはり、
生涯独身の女性は珍しかった。
公務員や大手の企業に勤めていて、
経済的な不安の無い人以外で独身のままでいる人は
かなり稀だと思う。
ところが私の次の世代以降になると、
蓄えも少ない、年金も多く貰えないであろう人達が、
結婚しなくなっている。
最近では貧困女子という言い方をしたりするが。
私はその”ハシリ”かもしれない。
今は、仕事に就けない不安より、
未婚で子供もいない女の老後の暮らしが
イメージ出来ない不安の方が大きい。
なんせ、前例が少ない。
周りにそういう人がほとんどいなかったのだから。
ほとんどの人は、結婚し、子供を育て、親の介護…という
女の一生の定型人生を送っている。
女同士で、同じくらいの歳でも、子供のいるいないで、
生涯独身の私とは全く違う。
もちろんどちらの方がいいとか悪いとかいうつもりはない。
ただ、前例が少ないから、自分の中だけで考えていると、
フワフワとした不安が時々押し寄せて来る。
経済的な面だけなら、まだはっきりしていて良い。
仕事に就けば解決できることだから。
とりあえず、今できることは、
仕事に就くこと。
それだけ。