想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

インプラント哀歌

悲しいというのじゃなく、つらいというのでもなく、
泣きたくなるシュチエーションがある。

昨日夕方に、予約していた歯医者に行った。
6年前、部分入れ歯が嫌で、無理を言って
ブリッヂを入れ直してもらったところは、
もう限界がきているようだった。
先生はインプラントの話もしていた。
インプラントにすると、100万以上はかかるだろう。
もうすぐ冬という感じ・暗くて寒い・止んだ雨・
病院の出口・高額の医療費・・・・
イジメられて泣いたこととか、
つらくて泣いたこととかが無い私でも、
こんなシチュエーションの時、切なくて泣きたくなる。
実際、結果的にどこもなんともなかったのに、
8千円請求された時は、泣きながら帰ったこともあった。

「自分の時間なんてなかったわぁ!!」と
私に怒りをぶつけた友人がいた。
気ままに旅行をしたりして、
自由な時間を楽しんでいる風に見える私を妬んであんなことを言った。
彼女は子供の頃から長く付き合っていた友人だった。
大人になってから気づいたが、
彼女は、家庭の経済的な面で、私を妬んでいた。
でも今は、立場が代わっている。
今は、出世したご主人のお陰で、
かなりの老後資金があると思う(子供もいないし)
早くに入れていたはずの部分入れ歯だって、
全部インプラントにしてしまったかもしれない。

私は、簡単にインプラントに出来ない…
この切なさは、お金が無いことを僻んでじゃない。
独りで、それも女が独りで生活していくことは、
自由で楽しいだけじゃなく、
男社会(昔はそう言った)の中で、待遇的に不利な女性が、
安心して暮らしていけるだけの経済力を持つことの難しさを
専業主婦でちゃんと働いたことの無い彼女には、
わからないだろう、という気持ち。