想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

歳を取って大切なことは、鏡を見ること

階段を降りる時の不安、
数年前まで感じたことのない不安だ。
エレベーターを使う頻度が増えた。
足の痛みは、安い靴のせいかもしれない、
だいたい脱ぐのが恥ずかしいような安い靴を
履き続けていることが悪の根源なのだ、と思い、
ちょっといい靴を買おうとショッピングモールに行った。

開店時間前に並んでいるのは、
杖をついていたり、やっと歩いているような高齢者ばかり。
店内を見渡してみたら、施設かと思った。
サ高住内にいる時と、外にいる時と、
明らかに高齢者を見る時の気持ちが違う。
あんなに優しく献身的に尽くしたい気持ちにさせた高齢者が、
外に出ると、高齢化社会を作るただの人々にしか見えない。
第一印象が"魔女"だったあの人も、またいた。
どうして髪を振り乱したままなのだろう?

ふと、気が付いたことがある。
高齢者は、鏡を(見たくないから)見ない。
うちの母親に3倍の鏡を渡し、メーク直しを勧めたら、
(はっきり見えて嫌だから)見ない、と言った。
また、見た目誰が見てもかなりのお爺さんが、
「(デイサービスで)あんな年寄りの中に入いるのは嫌だ」
と言っていたのを思い出す。

老いた姿を見たくないからと、いつからか鏡を見なくなる。
他人からどう見られているかを考えなくなり、
自分の"記憶"と"心"だけで、今の自分を見ている。
自分は、高齢者だと正しく認識出来ていない。
だから、危ないから運転をするなと言っても聞かないし、
若い人が着ている服を買おうとしたりする。

私はいつもメガネをかけていないので、
ルフレジを操作する時には、見えないまま適当にやっている。
時々、20代の店員さんが近寄ってきて、優しく教えようとする。
そう、私がお年寄りに優しく説明していた口調で…