想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

ショッピングモールの魔女と隣人

外出しようと化粧をしても、なかなか出かける気になれず、
無駄に時間を過ごしてしまうのは、
この暑さのせいだけじゃない。
何もしないでずっと部屋にいるのは、
気が滅入るので、涼しさを求めて
ショッピングモールに行ったりする。

こないだ本屋さんで、また会った。
前にホールで見かけた人だ。
たくさん座っている人の中で、二度見した人。
そこだけ、光が当たっていないような、
私にしか見えないじゃないかと怖くなるような人。
長く伸びた白髪が広がり、化粧はたぶんしていない。
(目が合ったら怖いのでよく見ていない)
腰が大きく曲がっていて、歩く姿は、魔女そのものだった。
その人が本屋さんに現れて雑誌を見ていた。
万引きをしているようにも見え、
男性店員が近くに立つも、何を言ったのか聞こえなかった。
毎日、来ているのかもしれない。
(涼しさを求めて)
歳を取れば、白髪にもなるだろう。
腰も曲がるだろう。
その姿から、"魔女"なんて失礼なことを思ってしまった。

あの"すすきの"の事件は、明らかになればなるほど、わからなくなる。
ほんとに推理小説を読んでいるようだ。
そしてニュースで加害者の家が映る度、近所の人に同情している。
迷惑な隣人、でも簡単に引っ越せない(賃貸住宅じゃないから)
近くにあんな家があるなんて、堪ったものじゃない。
私の部屋の下にも、クレーマーがいて、
いる気配がするだけで安らがない。
でも、例えば下の階に独身のいい男が住んでいるとしても、
それはそれでまた、迷惑な隣人になるかもしれない。

得体が知れないと、誰でも奇妙に見える。
私だって、周りから見たら得体の知れない奇妙な人だろう。
理想の隣人なんていない。
医者の家族さえ、犯罪者になる世の中だ。