想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

読書というクスリ

なんとも怒りが収まらない。
気持ちを切り替えるしかないと思い、本を読むことにした。
『桜風堂ものがたり』

桜風堂ものがたり

職場の娯楽室の棚から借りてきた本。
帯に"本屋大賞ノミネート"の言葉があり、
それならばきっといい本なのだろうと思った。
でも、すぐに読みたいと思わなくて、
棚に積み上げたままになっていた。

静かに1ページ1ページと捲りながら、
読み進めて行くと、だんだん惹きつけられていき、
今朝、読み終わった。
本も人も、知らないうちは、ただの本や人なのだけれど、
知っていくとだんだん特別な存在になるものだ。
読み終わって、甘っちょろい内容、と思った。
現実の世界は、こんなに甘っちょろくない。
とくに今、職場で理不尽な思いをして
気持ちがどうにも収まらないでいる私は、そう思った。
…読後、穏やかな心になっていた。

本屋さんの書店員さんの話だった。
それこそ理不尽な目に遭いながらも、
自分の仕事~本を売る、
それも自分が見つけ出した良書を売る~
ということに、情熱を燃やして取り組むところは、
どんな職業の人にも共感するものがあるだろう。
これから本屋さんに行った時、
書店員さんの想いのようなものを感じてみたい・・と思った。
が、最近では、経済的事情があり、
新品を買うことが出来ないという寂しさがある。

今日、あのタクシー手配でさんざんな思いをした同日に
私が救急搬送の手配をして入院した入居者の方が退院してくる。
奥様には"命の恩人"と言われた。
余命宣告されたご主人の病院に行くタクシー手配のために
電話を必死にかけ続けた気持ちが奥様に伝わらなったこと、
救急車を要請して、奥様に感謝されたこと。
同じ日の真逆の出来事。