想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

髪と人生

雨の中、歯医者さんへ行く。
風と湿気で、毛先のカールは取れて、
ボサボサになった髪。
前髪はちょっとの風でも全開になる(薄くなった?)
いつの間にかこんな髪になってしまった!?

生まれた時、髪がボーッと全部立っていた。
数少ない私の赤ちゃんの写真で知った。

物心ついた時からずっと長くしていた。
新築した自宅では、長い髪が落ちていると、
拾って歩けと母に言われた。
お使いを頼まれても、髪がキマっていないと行かなかった。
学校に行く時、遅刻しそうでも
髪がキマるまで、泣きながら髪を結っていた小学校時代。

ラベンダーのエメロンシャンプーで洗った次の日は、
好きな子と話が出来た。
ブサイクな顔を、髪でカバーすることを覚えた中学校時代。

女子校に入って一人暮らし。
女子ばかりだから洒落っ気は少しなくなっていた。
ボイラーの無いアパートで、
お湯を沸かし溜めながら洗っていた短大まで。
今は出来ないそんな事。

社会人になっても
すぐにはボイラーのある部屋に移らなかった。
長く伸ばした髪は、当時人気のあった中森明菜に似ていて、
"憧れの〇〇(私の名)さんヘア"と呼ばれた。

30代に入ったあたりで
少し白髪が生えるようになり、ヘアマニキュアをするようになった。
でも相変わらず、髪がキレイと言われていた。

40代に入ると、マニキュアでは隠しきれないということで、
白髪染めを始めた。
それでもまだ髪も多いし、まだまだ髪で顔はカバー出来ていた?

50代に入る前、首の手術のために
坊主頭になることになり、泣いた。
もう、終わった…と思った。
髪は、女の命だから。

60代、月に二回は、白髪染めをしている。
短く切ったらただのおばさんになりそうなので、
毛先を巻き、ハーフアップにしている。
「いつも決まっている!」と言われることもあるが、
並々ならぬ努力を、他人は知らない。

シルバーヘアーが流行している。
いつか私も決心する時が来るのだろう。
一度(女として)終わった経験があるのだから、
きっと…大丈夫…