想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

紐付け

学生時代に友達と食事したり、
歩き回った街を久々に歩く。
久々と言っても、「40年」ぶりだ…

昔あった店を探すが
ほとんど建て替わっているのか、わからない。
似たような造りの建物もあり、
(あそこがピザ屋さんだったところかな?)と
思い出に浸りながら歩く。
新卒で入社した会社のビルは壊され、
駐車場になっていた・・・

自分が知っている建物や景色が、
変わっていくのを見た時に感じる寂しさというのは、
私に”紐付けされていたもの”が
ひとつずつ消えて行く心細さ。

建物や景色だけじゃなく、
過去には多くの人間が私に紐付けされていた。
「〇〇ちゃん」と私の名を呼び、
可愛がってくれた祖父母や叔父伯母達、
そして、父までも他界し、
何百(何千?)の仕事関係の人や同級生達も、
紐付けから切り離されつつある。

街は新しくなっていき、
知り合いも少なくなっていき、
紐付けされていたものがどんどん減っていく。
繋がっている紐が少なくなると不安定になり、
ゆらゆらと力無く立っているような感じだ。

紐付けられた人達は、
時には煩わしさも伴うものだけれど、
自分を支えてくれているものと考えると、尊く思う。

人は、たくさん紐付けされたものがあるからこそ
しっかりと立ち、生きていられるのかもしれない。