学生時代に友達と食事したり、
歩き回った街を久々に歩く。
久々と言っても、「40年」ぶりだ…
昔あった店を探すが
ほとんど建て替わっているのか、わからない。
似たような造りの建物もあり、
(あそこがピザ屋さんだったところかな?)と
思い出に浸りながら歩く。
新卒で入社した会社のビルは壊され、
駐車場になっていた・・・
自分が知っている建物や景色が、
変わっていくのを見た時に感じる寂しさというのは、
私に”紐付けされていたもの”が
ひとつずつ消えて行く心細さ。
建物や景色だけじゃなく、
過去には多くの人間が私に紐付けされていた。
「〇〇ちゃん」と私の名を呼び、
可愛がってくれた祖父母や叔父伯母達、
そして、父までも他界し、
何百(何千?)の仕事関係の人や同級生達も、
紐付けから切り離されつつある。
街は新しくなっていき、
知り合いも少なくなっていき、
紐付けされていたものがどんどん減っていく。
繋がっている紐が少なくなると不安定になり、
ゆらゆらと力無く立っているような感じだ。
紐付けられた人達は、
時には煩わしさも伴うものだけれど、
自分を支えてくれているものと考えると、尊く思う。
人は、たくさん紐付けされたものがあるからこそ
しっかりと立ち、生きていられるのかもしれない。