想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

季節とともに

急に、初冬になった。
ストーブを点けた。
いつもより一週間くらい早い。
こないだ年末調整の書類のこと考えたと思ったら、
もうすぐまた考える月になる。
あれから一年何をしていたんだろう。
チームバチスタのシリーズ本を
読み漁った夏の記憶だけは、はっきりしている。

入社してすぐの頃、
自分史を書いたという入居者のHさんから、
読んでほしいと言われ読み、感想文を付けて返したら、
とても喜ばれ、他の方々にも絶賛された。
あれから亡き父と同じ歳のHさんは、
私を娘のように特別な存在に思ってくれるようになった。

この夏の終わりに私が救急車を要請し、
Hさんは一命を取り留めた形になったが、
がんが見つかり余命半年から1年と宣告されてしまった。
若い人と90代の人と
"余命"の捉え方は違うと思うが、
死を受け入れるまでの過程は、
年令には関係ないだろう・・

思い返したらニヤリと笑いたくなることもあった。
うわーと感動したこともあった。
悔しい思いもした。情けない思いもした。
酷いことをした。酷いことも言われた。
惨めだと思ったこともあった。
うれしくて泣きそうになったこともあった。
歳を取れば取るほど、
いろんなことがあって、あり過ぎて、
もう疲れた、もうここらへんで終わっても、
悔いは無いなと思えるようになっている、60代の私でも。

90代のHさんには、その時まで、
頑張って、と言うより、
少しでも楽しく暮らせるよう、
優しく寄り添えたら、と思うばかり。