想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

『おのぞみの結末』

学校で職場で、言葉は悪いが"コイツ、いなくなればいい!"と
思う人は、いないだろうか?
世の中、いろいろな人がいて、
気が合う人ばかりじゃないから、
誰でも一人や二人はいることだろう。
今日は、そう思っていた一人と
顔を合わせるのが最後の日となっていた。

そのコは、去年入社したばかり。
第一印象も悪く、その時すでに
すぐ辞めるだろうと思っていた。

今日はこんなことがあった。
専用ゴミステーションが汚れていたらしく、
入居者の方が水洗いをしたりして、キレイにしてくれた。
私は、途中で気づき駆けつけ、
「そんなことまではしないで、
汚れていたら、スタッフに言ってほしい」とお願いした。
申し送りに書いたそれを読んで、
遅番で出勤してきた彼女は言った。
「その人が清掃するのを止めさせて」と。
いやいや、貴方たちここのスタッフが掃除しないから、
見るに見かねて、入居者の方々がしてくれてるのに、
言うべきことが違わないか!?
掃除をして下さった入居者にお詫びし続け、
掃除をしない彼女に文句を言われる私。
本当に馬鹿馬鹿しい、ふざけた話…。

残るはあと一人。
入社一年、結局、前任者と同様、
入居者から信頼されないまま去って行く人。
昔、好きで読んでいた星新一ショートショート
『おのぞみの結末』というのがある。
まさに、それ。
いなくなればいいと思っていた人が皆いなくなる。
仏の顔をした私がそう思っていたなんて、
彼女達は、思ってもいないだろう。
ブラックショートショート