想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

それは愛ではなく恋でもなく

コロナ禍の真っ只中に入社した。
だから私の素顔を知っている人は少ない。
マスクをしていると別人のように可愛く見えるようだ。
(ブサイクほどそうなのだそうだ)
稲田大臣に似てる似てると、
うるさく付きまとう社員がいた。
子供の頃から、そんなふうに
男子に構われることが多かった。
それは大人になってもそうだったが。
さすがに60才を過ぎると、ただただうるさくて、
面倒くさくて、ウザイと思っていた。

その彼のシフトを見たら、
月末に大量の有休が入っていた。
それは、辞める人の典型的なシフトの状態だ。
彼は辞めるのかな?と思った時、
ふと感じた"寂しさ"はなんだろう??
そういえば、去年の入院前も入院後も
心配して電話をくれていた。
差し入れのお菓子をくれたり、いつも助けてくれた。
他のコンシェルジュに比べて私のことを
よく褒めてくれたのも彼だった。
(辞めるかもしれない)と思った時に
突然感じたこの気持ちは、なんだろう。
好きだったわけじやなく、
好きなタイプでもないのに。

安倍総理が亡くなった時に
家族を失った時のように悲しいと応える人がいた。
タモリロスとかいう言葉もあった。
いつもいた人がいなくなる(見れなくなる)時に起こる感情、
この正体は、"不安"だ。
自分の知っている世界が少しずつ
知らない世界に変わっていく不安。
いつもどおりの世界、いつも通りの日常にある"安心"
彼がいなくなることで、助けて貰えなくなる不安。
人は弱いから、助けて貰えるという安心に
愛とか恋とか名付けたりする。
彼に対してのこの感情は、愛や恋だったのか?