想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

去り行く人たち

濃厚接触者となり休んでいた責任者Nが出勤してきた。
コロナ陽性疑いの入居者の対応で、
激務をこなした私には、何の言葉もなかった。
今までもそうだったから、不思議ではないが。
パソコンを独占し、ドンと座ったままの彼女。
会話無く、重苦しい空気が管理室に漂う。
その雰囲気を感じているのは、入居者の方々も同じだろう。
もうすぐ辞めていなくなる人、
もう少しの辛抱・・と思う。
彼女は今でも、自分が正しい、
会社が、職場が、変だったと思っているのだろう。

明日は支援で入っているM住宅勤務で、
今月で辞める若いパートコンシェルジュと会う。
彼女も、自分が正しい、
会社が、職場が、変だったと思っているのだろう。
辞める人は、皆同じように見える。
今更、貴方のこんなところが間違っていたなどと、
言うつもりは無い。
これからの人生の中で自ら気づくはずだ。

私は、転職14回。
ということは、14の職場で退職の挨拶をしている。
面接でとんでもないこと言った自分や、
職場で感情を抑えられなかった自分、
理想ばかりで現実を見れなかった自分、
仕事より私情を優先していた自分・・・
思い返せば、恥ずかしいことが多い。
でも、だから、今の自分がある。

こないだ辞めた元ケアマネのキッチンパートの70代の彼女は、
他のスタッフのことで「ありがとうを言うことを
教わって来なかったんでしょうかね?」
と私に言ったことがあった。
他人のことは、そう言って置きながら、
自分は、挨拶も無しに突然辞めたのだ。
人生経験豊富で物知り顔、包容力のある雰囲気の彼女。
人生経験は、人を良く変えるばかりではないかもしれない。