想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

「もう、あなたしかいない」

昨日はメインの職場「K住宅」勤務で、
ある入居者に呼ばれて部屋に入った。
10月になったので、大きな月めくりカレンダーを
めくってほしいということだった。
その方は、98才。
頭はしっかりしていて、礼儀正しく、時々厳しいことも仰る方。
足腰が弱っているため、壁にかけた大きなカレンダーを
めくることが出来ない。。
頼まれて、カレンダーをめくり、
10月の予定の書き込みをしていたら、
後ろで呟やくのが聞こえた。「もう、あなたしかいない」

私が他の住宅に行くことが増え、
その間、新しく入ったそこの責任者や
新卒の研修やら、新しい社員ばかりがいるようになっていた。
パートの私が一人でするところを
正社員が2名体制で行っていた。
彼女達は、彼女達なりにしっかりやっている風なのだが、
たまに顔を出す私を待望する声を入居者から聞くことが多く、
そして、今回のこの言葉だ。
キッチンのスタッフに、彼女達の仕事ぶりを聞いてみた。
「事務的なのだ」と言った。

前の責任者とよく衝突したのは、
入居者の方の対応だった。
私は、入居者の方の気持ちに沿う方で
彼女は、会社の意向に沿う方だった。
たぶん新しく入った社員達もまた、そうだったのだろう。

入居者の気持ちに沿い好かれると、
休憩時間も取れないほど忙しくなる。
”サ高住のコンシェルジュは、こうあるべき”というのを
会社から教育されないまま、今に至っている。
私なりに、役割と思っているのは、
一番大切なことは、命を守ることだが、
でも同じくらい大切なことは、残された人生を有意義に
出来るだけ楽しく快適に過ごすためのお手伝いをすること。
そこがお金を稼ぐためにだけ働いている人と、
時々ぶつかるところだ。