母が似合わない色の服を買おうとしていたので、
それは止めた方がいいとアドバイスすると、
「好きな色は似合うってことじゃないの?」と言った。
確かに好きじゃない色の服を着るより、
好きな色の服を着ている方が気持ちがいい。
でも、他人からどう見えるかは、別問題だ。
昔、白Tシャツにジーンズというのが、
究極のオシャレだ!と思っていたことがあった。
そのオシャレな装いをしているのに、
なんだかオシャレに見えなかった。
低身長で短足の自分の体形をわかっていなかったから。
自分の本来のイメージと違う”カッコイイ”に憧れていたあの時。
フリルや花柄の女のコっぽいものが嫌いだった。
たぶん、そっちの方が似合っていたのだろうけど。
こんなふうに、自分が見るより、
他人に見せる(?)ファッションは、
良く見られたい、オシャレに見られたいなら
自分の好みより、他人の目で見るようにした方がいい。
今度は顔の話。
近くで目を合わせながら話すのが
恥ずかしくて耐えられないほど魅力的な顔の人と
目をそむけたくなるほど嫌悪感でいっぱいになる顔の人がいる。
後者の人が、そんなにブサイクかといえば、そうではないのだけど。
どうして私がそこまで気持ち悪く感じるのかと言えば、
その人は、入社した時、仕事を装って、食事に誘ってきたからだ。
顔は、私の父親似の大きな二重の濃い顔。
元々、人間には、血の繋がった者同士が魅かれ合って
子供を作らないように、
近親者に似ている顔の人に魅かれないようになっている
と聞いたことがある。
だから父親似の顔の人に誘われるというのは、
とても不快なことなのだ。
好きか嫌いか見て感じることは、
その人の状態や環境や記憶が複雑に絡み合う。
とりあえず服を買う時は、
他人の目で見るようにしたい。