想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

サ高住のコンシェルジュという仕事

一年前のことだ。
サ高住で働くことになったけれど、お年寄りにどうやって接して、
どんなふうに話しかけたらいいのか、わからなかった。
また年齢的に亡くなった時や、急に体調を悪くされた時、
落ち着いていられるだろうかと不安だった。
そんな私が今、何があっても
落ち着いている、受け入れるようになってきている。

数日前、普段から心配していた入居者の方の
救急搬送の手配をした。
私の初めての「119」
コンシェルジュが私一人の時で、昼食時だった。
キッチンスタッフや他の入居者の方々の協力を得て、
なんとか対応した。
そして運ばれた入居者の方は、午後には無事に戻られた。
未だかつてない経験だったにも関わらず、
そんなに大ごとという印象ではない。
少しずつ、ここでいろんな経験を積んでいたからかもしれない。

父が亡くなったあの日、
和室の奥に亡くなった父がおり、
和室続きの居間で、母と姉と私がごろ寝した。
父が亡くなったことは、受け入れられない非日常的なことで、
今でも夢のようにあの夜の景色を思い出す。
仕事で人の死に何度も関わっていても、
親の死に動揺していた消防士の弟。
それまで私には無関係に思われた「死」が
日常になることを知ったのは、あの日だった。

入居者の年令は、97才の方が数名、90才前後の方が多い。
元気な方が多く、「死」なんて無縁のように見える。
でも、確実に私が勤務している間には、
何人かの方とお別れすることになるだろう。
(すでに2人の方とお別れした)
神じゃない医者じゃない私は、無力だ。
ただ、必ず来るであろう日までの生活を
不安なく楽しく過ごさせてあげるために、
掃除して、会話して、手伝って、気を配り、見守る。
そんな仕事。
サ高住のコンシェルジュ、って。