想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

60代は、そんな年頃

今の生活を聞かれたら、「充実している」と応える。
充分な老後の資金があるわけではない。
遣り甲斐のある良い職場に勤めているわけではない。
それどころかパートで賃金は高くなく、不満も多い職場だ。
身体だって不安なところがたくさんある。
なのに、幸福感に等しいこの"充実感"はどこから来るのだろう。

今まで、大変過ぎたせいではないだろうか。
1つ前の職場では、二度と出来ないと思うほどの
作業量を今と変わらない賃金でやっていた。
周りの人間も酷かった。
身体も悲鳴を上げていた。
あのまま働き続けていたら、心も体も壊れただろう。
あの経験があるから、今の慣れない仕事でも平気でこなせる。

転職回数14回。どんな仕事の時も苦しかった。
仕事が出来ないから、というのではない。
根っからの負けず嫌いと真面目さゆえに、やり過ぎるのだ。
会社員の時は、自己評価を気にし過ぎて、
見合った評価がされないことに苛立ち、
見合った報酬が貰えないとやる気をなくしていた。
いつも全力の短距離走をしていた。苦しかった。
穏やかな心でいられなかった。

また若い時は人並みに恋愛もしたが、
仕事と同じように悩み苦しかった。
自我が強いばかりに、多くの人が進む道(結婚)には、向えなかった。
60代になり、やっと解放され、楽になった。

もう60代?
まだ60代?
まだまだ今の生活を続け、生きていくつもりだけれど、
これで人生が終わっても、悔いなどないような気持ちでいる。
日本縦断をしたことも、好きな人との楽しい出来事も、
会社での苦労も、入院して大変だったことも、
全てひっくるめて、楽しい人生だったと言えるから。
これからも大変なことがあるだろう。
でも、また、全部ひっくるめて、楽しい、と思うだろう。

そんな年頃になったのだ。