敬語が苦手だ。
社会人になってから、40年も経つというのに…
若い時は、言葉を選んでいるうちに、
変な日本語を使う時があった。
最近よく変な敬語の使い方をする人がいるというが、
私は元祖かもしれない。
少し先に入った10才ほど下の「先輩」から、
入居者様に対して必ず敬語を!という"指導"を受けた。
ホテルの接客業出身の彼女は、
たぶん完璧な敬語を使えているのだろう。
彼女の入居者様の生活記録の文書は、敬語だらけで長い長い。
話し言葉と記録の文書、同じように敬語を使うのは、
どうかなと感じる。
体調が悪いからと朝食を食べなかった入居者様のところに、
午前中の仕事が落ち着いた段階で、
「体調はいかがですか?」と訪室した。
その時、「今まで気にかけて訪ねて来てくれたことなんてなかった!」
と、とても喜んでいた。
その方は精神的な不調でよく体調を崩されるので
時々「体調はいかがですか?」と声をかけていた。
昨日は、泣きそうになりながら感謝の言葉を言われた。
(正しくは、"仰られた")
私は、今まで誰もそんなことをしていなかったことに驚いた。
だって、それは、サ高住のコンシェルジュの
重要な役割のはずではないのかな??
「何かあったら、言ってください!言ってください!」と言った。
その方は、泣きそうな表情でお礼を仰った。
「何かございましたら、仰ってください。」
と言うのが正しいことはわかっている。
なんとか気持ちを楽にしてあげたい、
その方のために何かしたいという気持ちから
敬語がそっちのけになってしまう。。。
ところで、完璧な敬語を使えているだろう彼女は、
同僚に無視されるなど人間関係の悩みを抱えている。
敬語は確かに大切。でも、その前に心が大切と思う。
思いやりとか感謝とか、敬語の前に心だと思うのだ。