想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

「おっしゃる」が言い慣れない

敬語が苦手だ。
社会人になってから、40年も経つというのに…
若い時は、言葉を選んでいるうちに、
変な日本語を使う時があった。
最近よく変な敬語の使い方をする人がいるというが、
私は元祖かもしれない。

少し先に入った10才ほど下の「先輩」から、
入居者様に対して必ず敬語を!という"指導"を受けた。
ホテルの接客業出身の彼女は、
たぶん完璧な敬語を使えているのだろう。
彼女の入居者様の生活記録の文書は、敬語だらけで長い長い。
話し言葉と記録の文書、同じように敬語を使うのは、
どうかなと感じる。

体調が悪いからと朝食を食べなかった入居者様のところに、
午前中の仕事が落ち着いた段階で、
「体調はいかがですか?」と訪室した。
その時、「今まで気にかけて訪ねて来てくれたことなんてなかった!」
と、とても喜んでいた。
その方は精神的な不調でよく体調を崩されるので
時々「体調はいかがですか?」と声をかけていた。
昨日は、泣きそうになりながら感謝の言葉を言われた。
(正しくは、"仰られた")
私は、今まで誰もそんなことをしていなかったことに驚いた。
だって、それは、サ高住のコンシェルジュ
重要な役割のはずではないのかな??

「何かあったら、言ってください!言ってください!」と言った。
その方は、泣きそうな表情でお礼を仰った。
「何かございましたら、仰ってください。」
と言うのが正しいことはわかっている。
なんとか気持ちを楽にしてあげたい、
その方のために何かしたいという気持ちから
敬語がそっちのけになってしまう。。。

ところで、完璧な敬語を使えているだろう彼女は、
同僚に無視されるなど人間関係の悩みを抱えている。
敬語は確かに大切。でも、その前に心が大切と思う。
思いやりとか感謝とか、敬語の前に心だと思うのだ。