想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

繋がり

まだ明けきっていない時間から、ゴーゴーとすごい風の音がした。
ドアを開けて玄関前を見たら、
雪はそんなに積もっていなかった。
というより、隣の人が昨晩帰宅した時に、
雪を下に落としてくれたのだと思う。

隣の人からは、何年か前に、
(ついでに)除雪してあげていたお礼にと、
野菜を頂いたことがあった。
入居してから会ったことは数えるくらいしかないその人は、
40代くらいの背の高い男性。
どんな仕事をしている人かわからない。
野菜に添えられていた手紙からは、
実家が農家だということや
常識のあるちゃんとした人という印象だった。

二日前、大々的に私が除雪した後、
また雪が降って積もったために、
「今度は、俺が除雪しよう」と思ったのだろうか。
(元々は、そんなに細目に除雪をする人ではない)

こんなことがうれしかったりする。

ここのアパートの住人同士、交流はほとんど無い。
学生の頃や若い頃に住んでいたアパートは、
こんな冷たい感じでは無かった。
時代なのかもしれない。
他人と関わりたくない人が増えていると思う。
今は、私もそのひとり。

そんな中で、いちいち言葉は交わすことのない、
こんな気遣いがうれしかったりする。
他人とは関わりたくない、人付き合いは面倒という人でも、
やはり人間というのは、
誰かと繋がっている安心感がほしいものなのだと思う。