想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

手紙を書く

手紙を書くのは、敷居が高い。
字が上手くないから、上手く書こうとする緊張で、
文章がまとまらない、漢字や送り仮名を間違う。
パソコンのように簡単に消したり、移動したり出来ない。
いつからだろう、手紙もパソコンで打ち、
最後に手書きで名前を書く、外国の人のように。
カッコつけているわけではなく、
それほど手書きが大変だから。

そんな大変な作業が、大変じゃなかった時代がある。
小学生の頃だ。
文通が流行っていて、
積極的に本州の小学校に手紙を出して、
文通相手を募ったりしていた。
毎日、郵便ポストに私宛の封筒が届く。
自分が出すことより、届いた封筒を開けるのが楽しかった。
文通相手が多くなり、返事を書くのが大変になった。
子供だった私は、とんでもない失礼なことをしたことがあった。
相手の名前部分を空欄にした手紙を何枚も作り
(当時は、コピー機などなく、カーボン紙を使った)
それを複数の人に送ったのだ・・
また、書くのが大変になり、
イラストばかりを送り、相手に怒られたこともあった。

最後に手書きの手紙を出したのは、12年前。
入院している父宛だった。
いなくなると困ると…リハビリ頑張ってほしいと。
初めて父に書いた手紙が、届いていないというので、
郵便局に配達確認をした。
亡くなった後、引き出しから開封された私の手紙が見つかり、
届いていた、間に合ったと知った。
あの手紙は、書きながら、
まるでこれが最後とわかっているように
涙が止まらなったことを思い出した。

昔は、カワイイ便せんや封筒を選ぶのが楽しく、
何冊もストックしていた。
今、お店で見かける度に欲くなるのだけど、
宝の持ち腐れになるだけだろう。