想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、             60代になった今もこれからも

サ高住でカラオケ再開

「来年もよろしくお願いします。」と彼女は言った。
遅番専門で一年先輩のMは、まだ私が辞めることを知らない。
「よいお年をお迎えください。」と私は言った。
平和に平和に職場を去って行こうしているのは、
優しさからでは無い。

コロナでずっと止めていたカラオケを
昨日から私のメインのサ高住で再開することになった。
細かい指示や機器の説明も無しに、
ポンと責任者Kから丸投げされたので、勝手に判断して進めた。
私の判断基準は、入居者にとっていいかどうか。
Mやほとんどのコンシェルジュは、自分が大変かどうか。
あくまで仕事として、余計な仕事を
増やさないようにしているのだ。
言葉では、会社や上司の意向、入居者のためと言う。
そう言っているコンシェルジュに限って、
入居者を怒らせクレーム化させているのでは?

「やり過ぎなんだ」と、私の仕事ぶりを見て言う人もいる。
そこまでしなくていい、
そこまですれば入居者に好かれるはずだ、とも言われる。
入居者に好かれ頼られることは、
仕事量が増えるだけで、私は何の得もしていない。
(お菓子を頂く回数は多いかも?)

久々のカラオケを楽しんで貰おうと、
普段は聴かない昔の歌を、喜び褒め拍手する。
仕事中なのに、スナックのママになった気分。
私にも、「1曲歌え」と言う。
『君は心の妻だから』や『ああ上野駅』を
気持ち良さそうに歌っている入居者を前にして、
『Habit』なんか歌ったら、騒音としか思われないだろう。
ちょっとデュエットに付き合う程度で止めておいた。

楽しい時間を過ごした後、
あと一ヶ月で去る私は、
また後ろめたくなった。