夜中に目が覚めた時、耳をすまして音を探す。
全く聞こえない時もあれば、
遠くで車の音、どこかの部屋で
トイレの水を流す音なんかがする。
静かな住宅街、静かな夜。
子供の頃は、夜中に目が覚めてしまうと、
間違って怖い音が聞こえてしまわないように、
間違って怖いものを見てしまわないように、
真夏でも布団に潜り込んでいた。
怖いと言う感覚、大人になると変わるものだ。
金縛りは、霊的な現象ではないと、
今では誰でもわかっているし、
不安な心が自律神経に影響して、
身体のあちこちに不調をきたすということも
よく知られていることだ。
けれど、それがどうしても、
理解出来ない、しようとしない人がいる。
霊(魔物と呼んでいる)に
憑りつかれていると思い込んている入居者のNさんは、
夜中に身体に痛みが走ると魔物の仕業と言う・・
長い間、それに苦しめられている90才のNさんには、
霊とは無関係だと言っても、わかって貰えない。
良い心療内科の医師を見つけて、
不安な気持ちを解消して貰った方がいいと
アドバイスしているのだが。
霊の存在が確かなもので、
確実に除霊してくれる人がいれば一番いいのだが、
その存在自体、本人しか認められないので、
対応に悩むところ。
夜に目を覚まし、そんなことも考える。
子供の頃なら怖くて考えることもしなかっただろう。
サ高住のコンシェルジュは、こんな話を聞くのも仕事。。