想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

こんなお別れ

一本の歯を残すために一年半の間(74回)通った歯医者だった。
左奥歯のブリッジも他の歯医者なら、
さらに広げて入れ直しただろう。
私の歯を守り続けてくれた歯医者だった。
50代のその先生は、物凄く感じが悪い人。
女優並にキレイな受付の女のコが何人も代わった。
歯科衛生士の女のコに対しても患者の前で怒る。
寝ている私の顔の上で
教育するのは止めてほしいといつも思っていた。
雑談も多かった。
歯医者と患者の恋愛の話をする。私の顔の上で!
患者というより、馴染みの客のような扱いをされていた。

4月、定期検診の予約のために電話をかけた。
呼び出し音は鳴っているが誰も出ない。数日後もまた。
5月になって、またかけたが繋がらず。
そのうち私の入院もあり、
9月に行ける目途がたったので、またかけたが繋がらず。

ここまで来ると何かあったと思うようになった。
歯に問題が起こるまで、放っておこうと思った矢先、
歯医者さんから『開院のお知らせ』が届いた。
住所はいつも行っていた所。
名前が変わっていた。
院長の名前も違う。
どういうことなんだろう?
悪いことを想像した。
ちゃんとした理由なら、元の名で挨拶のハガキが届くはずだ。
去年まで年賀状が届いていたから。
そういえば今年は無かった。
最後に行った去年の11月以降に何があったのだろう??

まさかコロナで・・・
もう話すことが出来ない先生を思い出していた。
ネットで今年の5月に歯科衛生士など
3人位求人しているのを見つけた。
たぶんコロナで人が集まらず、病院を続けられなくなり、
閉院に追い込まれたのだろう。
先生に何かがあったと考えたくない。
コロナ前、億の設備投資をしたばかりなのに。
もう会うことがないから、そんな話も聞けない・・・・