想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

父はコロナを知らない

ベンチャー企業で平日は事務、
土日は大学病院でホールスタッフのパートという
Wワークをしていた頃だった。
長く続く気持ちの悪い横揺れの後、
事務所のPCで、空港で多くの車が流されている映像を見た。
震災から12年。

あの頃は、
ポニーテールをすれば、顔が若返った。
母は、都会(?)で買い物がしたくて、
月に2回は田舎から出て来ていた。
貯金は、ほぼ底を付いていた。
父は、生きていた。
介護の仕事は、無理と思っていた。
信号が黄色になったら走って渡った。
パーカーが好きで、似合っていた。

震災の影響を受けていない土地に住み、
幸いにも生きながらえている。

パーカーは、身体の線を拾うから、歳を取ると似合わなくなる。
今から無理な横断はしないクセをつけることにした。
介護の知識は、自分の今後の生活に役立つ。
87歳の母は、体力は落ちていないが、
歳を意識し過ぎて、用心深くなり、
毎月来ることはなくなった。でも、たまに来る。
無駄遣いをしない工夫で、
若い頃「そこそこ貯めたな」と思ったくらいの額の貯金が出来た。
髪やお化粧で、若作りは無理と気づく。
他界した父は、コロナを知らない。

お店にも球場にも大勢の人がいる。
また動き出した日常。
どうなってしまうんだろうということも、
結局は、なんとかなっていくものだな。