ハローワークにこんな気持ちで何度行ったことだろう。
失業者という名札を付けているかのように、
人生の落伍者の雰囲気を漂わせ、トボトボと歩いて向かう。
考えようによっては、雇用保険を貰えるというのは、
まだ現役の証拠という優越感が無いこともない。
60代にもなれば。
仕事をしていて、仕事が上手く行っていて、
お金の心配もしていない、というのが、普通という基準。
毎月貯金が出来て、増えて行くのが当たり前、という基準。
それは若い時の私の普通の基準。
年令と共に基準を変えなければならない。
身体のあちこちに何かしら不安はあるけれど、出歩けられる。
それを普通という基準にしたら、
またいずれ修正をしなければならない日が来るが。
お店の中を見渡すと、多くの家族連れや、高齢者がいる。
みんな、たくさん貯金があって、経済的な不安なんて、
何も無さそうに見える。
私は、呑気な見た目のせいで、
侘しい生活を送っていても、"優雅"に見えているかもしれない。
私がこの一年で見つけたいのは、"私らしい老後の生活"
未婚だから、友人達のように、
子供との暮らしや孫のこと、旦那さんの介護は無い。
考えなきゃならないことがあるとしたら、
元気で一人暮らしをしている母のことだけ。
あとはまるっきり、自分ひとりのことだけでいい。
どんな暮らしを思い描いているか。
それは、自分の健康を第一にして、
困っている高齢者の助けをする仕事をして(=生き甲斐)
図書館の本を読み、カラオケに行く(=安上りな趣味)
富裕層のサ高住のある入居者、
一日何もすることがなくて、死んだ目をしている。
80歳までバリバリ働き、キラキラしていた現役時代、
そんな侘しい生活を思い描いていたのか?
老後資金のことより、もっと考えなきゃならないことがある。