想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

暮らしを思い描く

ハローワークにこんな気持ちで何度行ったことだろう。
失業者という名札を付けているかのように、
人生の落伍者の雰囲気を漂わせ、トボトボと歩いて向かう。
考えようによっては、雇用保険を貰えるというのは、
まだ現役の証拠という優越感が無いこともない。
60代にもなれば。

仕事をしていて、仕事が上手く行っていて、
お金の心配もしていない、というのが、普通という基準。
毎月貯金が出来て、増えて行くのが当たり前、という基準。
それは若い時の私の普通の基準。
年令と共に基準を変えなければならない。
身体のあちこちに何かしら不安はあるけれど、出歩けられる。
それを普通という基準にしたら、
またいずれ修正をしなければならない日が来るが。

お店の中を見渡すと、多くの家族連れや、高齢者がいる。
みんな、たくさん貯金があって、経済的な不安なんて、
何も無さそうに見える。
私は、呑気な見た目のせいで、
侘しい生活を送っていても、"優雅"に見えているかもしれない。

私がこの一年で見つけたいのは、"私らしい老後の生活"
未婚だから、友人達のように、
子供との暮らしや孫のこと、旦那さんの介護は無い。
考えなきゃならないことがあるとしたら、
元気で一人暮らしをしている母のことだけ。
あとはまるっきり、自分ひとりのことだけでいい。
どんな暮らしを思い描いているか。
それは、自分の健康を第一にして、
困っている高齢者の助けをする仕事をして(=生き甲斐)
図書館の本を読み、カラオケに行く(=安上りな趣味)

富裕層のサ高住のある入居者、
一日何もすることがなくて、死んだ目をしている。
80歳までバリバリ働き、キラキラしていた現役時代、
そんな侘しい生活を思い描いていたのか?
老後資金のことより、もっと考えなきゃならないことがある。