想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

グレーな職場の因子

辞めることが決まっても、まだ実感が無い。
最終出社日が1月末だからかもしれない。
義務感だけで、心が離れた職場に向かっている。
私が退職することを知らない入居者の方から
頼られ喜ばれしていると、後ろめたさを感じる。
最後の日が近くなったら、一部の方には挨拶をしようと思う。
でも、はっきりと言えない方もいる。
朝、私がいると「安心する」と
すがるような表情される奥様とか…
入居してから、ご主人と共にいろいろなことがあり、
深く関わってきたご夫婦。

高齢者は、別れに弱い。
ただでさえ、出会うことより、別ればかりが多い年代。
頼ってきた者がいなくなることの不安は、
若い人の何倍も大きい。
だから、一部の方々には、
ここには来ないが、他の住宅で勤務していて、
また会うことがあるかもしれない…
という"別れ"にしようと思っている。

退職届を出してから、
今まで親しげだった部長や上司が冷たくなった。
同僚はまだ知らない人が多いが
少しずつ噂が広がっているようだ。
ムカつくことがあっても、
(どうせ、辞めるのだ、もう少しの我慢)と心の中で呟く。
何も知らない入居者は、「(私の名前)ちゃん」と呼び私を頼る。
一方、入居者に頼られなくても、好かれていなくても、
本人が辞めると言わないから残るスタッフ。
考えてみれば、どこの会社でも、
長く勤務している人というのは、
仕事が出来る人というのではなく、
(転職する能力か勇気が無く)"辞めない人"なのではないか?
今まで働いた職場を振り返り、そう思う。
辞めない人が、後から入る人を追い出し、
辞めない人ばかりの職場を維持している。
グレーな会社はグレーのまま。