想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

700円と〇億円の世界

こんなに差し入れが多い職場ってあるだろうか?
私だけ頂いているのか?(他の人も??)
多い時は、サブバッグがびっしりになる…
その中でも、他の人に見られないように、
お菓子を持って来る男性入居者がいる。
彼は、業界新聞のトップを引退したばかりで
引退前からお坊さんもやっている。
その人は相変わらず兼任しているM住宅の住人で、
私の顔が見えると、とくに喜んでくれるのはいいのだが・・

妙に私を気に入って、
後妻や愛人ではないけれど、
余生を過ごすパートナーという妄想を抱いているようだ。
「なかなか前へ進めないね」
「地位もお金も要らない」
「(有り余っているお金は)君と僕との…」
80代で耳が遠いから、自分の言いたいことだけを話す。
いい加減呆れて、笑ってその場を凌ぐしかない。

来年2月には退職することを、まだ誰にも言ってない。
3月から収入が激減するかもしれないから、
今は、節約とポイ活に励んでいる。
ポイント700円分あるから、何買おう♪とか、
何百何十円の得に幸せを感じている毎日。

その入居者の彼が娯楽室で税理士と会っていて、
話がほぼ筒抜けに聞こえた。
今住んでいるサ高住の他に、駅の傍にマンションがあり、
他にも土地も持っていて、売ると億単位の金額になるという話。
経済的に楽ではない人で、他人を利用して
お金を得ようとするタイプの人間が聞いたら、
好き嫌い別にして、彼に近づこうとするかもしれない。
若い女がお爺ちゃんと結婚して…とかいう話のように。
でも、私は無欲のただのオバサン。
ポイ活で貯めた700円を喜んでいる私と
80代で億の資産を持つ人と、すぐそばにいるのに、
生きている世界が違うなと、ひしひしと感じていた。