一番癒されホッとする場所は、どこ?と聞かれたら、
すぐに、自宅のソファーと応えるだろう。
3つのクッションに囲まれて丸まって、
カフェオレを飲んでいる時が、最高に幸せだ。
入院とかで、長くここを離れることがあったなら、
絶対間違いなく、このソファーを思うはず。
若い時は、自由でいいねと言われ、
気を遣う相手がいないこの生活は、
この歳になると、きっと寂しそうとか思われているのだろう。
M住宅で、夫婦で入居している方の奥様は、
ご主人がストレスになり、いつも体調が悪い。
よくこんな支配的な人と暮らしてこられたなと思う。
しかも浮気も発覚して、ますます険悪な状況。
話しながら奥様は、もう我慢の限界を超えたように泣く。
私は、背中をさすりながら、
ただ聞くだけしか出来ない。
そもそも20才も若い私に
何かを期待して打ち明けたわけではないだろう。
ここのコンシェルジュは、20代30代と若い。
少しでも年の近い人に
聞いてもらいたかっただけなのだろう。
結婚をしていないと、まるで欠陥人間のように、
人生に躓いたまま生きているみたいに捉える人は少なくない。
私も、いい歳をして独身の人がいると
同じように感じてしまうのだが。
でもサ高住で働くようになり、いろいろなパターンの
老後の暮らしを見ているうちに、
独身で良かった、結婚しなくて良かった、と思う。
誰でもいつか一人になる。
結婚しようがしまいが、老後に
経済的な面も、健康面でも不安はあるものだ。
ただ精神的な面でいえば、
独身というのは、”独りに慣れている”
それが最大の強みだ。