想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

その怒りに納得してしまった

胸ぐらを掴んだ事件、
どうしてそんなことをしたか、
彼の話を聞いた時、責める気持ちが消えてしまった。

Nは、見栄っ張りで子供っぽくて、
合わせるのに苦労していた。
でも、食事対応する中で、協力し合い、
助け合い一緒に頑張ってきた。
でも、新人の胸ぐらを掴んだり、どついたりは、
何があってもやったらダメな行為だ、
そう思っていた。
Nの話を聞くまでは。

Nは、作業量に対してあまりにも安い給料、
他の調理師が2人でやるところを
Nはいつも一人でやっている、
忙しすぎるほど忙しい。
よくやっているのは、近くで見ていてわかっていた。
遅番担当のコンシェルジュの言動がきっかけで、
忍耐の限界を超え、辞めると会社に話した時、
常務がやってきて、副調理長の役職と増額した給料を提示して、
引き留めにかかった。
でも、Nの辞める決心は変わらなかった。

Nは、退職の日まで勤務するつもりでいた。
これから年末年始にかけて、
今自分が辞めたら大変なことになる、と言って。

新人が研修に入って、
その人の契約書(?)を見た時、
Nの残された我慢が限界を完全に超えた。
なんと、その額は、
彼を引き留める時に提示された額と同じだったというのだ。

会社勤めを長くしていると、
私も理不尽な待遇に怒り狂って、
自分を見失うようなことが無かったとは言えない。

過去の自分を見るようで、Nを責める気が失せてしまった。