想うままひとり暮らし

16才から始めたひとり暮らし、60代になった今もこれからも

辞めると全て無になる

胸ぐらを掴んだ、そうだ。
掴まれた彼は、自分の包丁を持って、帰ってしまったらしい。
彼は研修と言う形で今月1日から来ていた。
教えるのは、1月に退職予定の調理師(社員)N。
Nは、私の入社一ヶ月後に入った50才男性。
早番の時やコロナ対応の時など、協力して乗り越えた。
50才とは思えない幼稚な言動もあり、
呆れかえることが何度もあったが。

辞める原因は、仕事の量に見合った給料ではないということや
遅番担当のコンシェルジュと合わないということ。
合わない、という部分ではどっちもどっちという感じ。
どうして会社に対して不満いっぱいのNのところに
研修にいれることにしたか、幹部は何もわからなかったのか?
こうなることは、私にはわかっていたけれど。

調理部門の課長に、今回の事件について聞かれた。
胸ぐらを掴んだところは、見ていない、
でも、どついているところは見た、と言った。
教え方もひどかった。
「私だったら、一日で辞めただろう」とも言った。
コンシェルジュの中で一番多くNと関わっていた
私の証言は、どう捉えられただろう。
彼を擁護する話をした方が良かったかもしれない。
でも、”協力し合い”は表向きで。
”煽てて、我慢して合わせていた”
というのが真実と言えば真実だ。

今回の事件で、出社拒否した中途採用の彼は、何も悪くない。
じゃ、Nが100%悪いのか?
もともと子供じみたところがあり、見栄っ張りなNだけど、
慣れない高齢者向きの味付けをするために努力していたし、
忙しい中で入居者とのコミュニケーションも怠らなかった。
前のリーダーがクビになり、
その後何もわからないコンシェルジュが何人も入った時も、
食事対応で支障が出ないように、頑張っていたようだ。
そんな全部の頑張りは、この事件で全部、無になった。
退職予定の1月まで、出社するだろうか。
Nがどういう姿勢で勤め上げるか楽しみなところ。